基本方針
- 1. 利用者の生命と人権の尊重を基本に、一人一人の生きる力を引き出し、心身共に健やかな生活が送れるよう援助します。
- 2. 地域の社会資源として、地域の方々から必要とされる施設づくりを目指します。
Message
第2次世界大戦後の混乱の中で始まった障がい児支援をベースに昭和42年より重症心身障がい児施設として光の家は開設いたしました。愛と奉仕の理念のもと一人一人の生きる力をひき出せるような支援に努めてきました。
半世紀を過ぎ子どもは大人になり高齢化を迎えています。スタッフは人生を共に歩みながら一人一人誰もが皆すばらしい原石であるという事に気がつきました。利用者もスタッフも皆互いがかけがえのない原石であると感じ磨き合い成長し喜びのある人生を送っていけると実感しています。
豊かな山里の中で皆さんと一緒に今後も歩んでいける事を願っています。
光の家療育センター センター長 丸木 和子
人に歴史があるように建物にも時の移ろいとともに、それを造った人、そこに働いた人、そこに住んだ人の歴史が刻まれている。
故丸木清美先生がその人生における業績の一つとして、光の家を造られたときは重症心身障がい児という言葉が未だ耳新しく感じられたものであった。埼玉県での福祉活動の草分けであった丸木先生には、常に重度の障がい児を抱える家族が少しでも安心して社会生活を送れるようにという理念があり、そうした思いから光の家が誕生した。
名前は毛呂山の地に愛の伝導活動を送り、生涯を終えられたEFアプタン先生の志を記念したものであるという。丸木先生は晩年よく「愛」と「奉仕」という言葉を認め、医療の基本理念とされたが、光の家で働くものは自ずとその精神が身についてくるようである。いや、短い生涯を光の家に託す子等が、働く者にその心を与えてくれると言った方が良いのかもしれない。
埼玉医科大学 精神科名誉教授 皆川 正男
子供達は生きており、裏表なく生き生きと生きており、彼らへの対応はその時のまま“生”のままで返ってくる。心をこめれば心が返って来、気をこめれば気が返ってくる。手を抜けば抜いたで、それなりの反応がある。過去も未来もないただその時、その場の手応え、一瞬一瞬に躍動する生。嘘のない世界。ここでは、看護する方も裸にならなくてはいけない。通常の世界では有り得ない、裸と裸のつきあい、その裏の無い生き方が、たまらない魅力になるのではないだろうか。ここでは、いつも鎧が解かれ心が洗われる。通り一遍の奉仕という気持からだけでは、ここの仕事は務まらないように思う。子供達との対応の中で知らず知らず、自分が生きていること、生の実感が得られるから、あれ程大変な仕事も楽しそうに務まるのだろう。まさしく光の家は生の道場である。
小児外科医 藤岡 正志